頭をぶつけた、転んで頭を打った、スポーツや事故などで頭に衝撃を受けた場合、軽い打撲で済むこともあれば、脳しんとうや脳出血などが起こっていることもあります。
特に、頭を打った後に頭痛や吐き気、意識の変化、手足のしびれや力の入りにくさなどがみられる場合には注意が必要です。症状やけがの状況を確認し、必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を行います。
頭のけがにはさまざまな種類があります
頭のけがは、ぶつけた強さや受傷した状況、年齢などによって症状や重症度が異なります。外見上は大きな傷がなくても、脳しんとうや脳出血などが起こっていることがあります。
頭を打った後の症状や経過を確認し、必要に応じて画像検査を行うことで、脳や頭蓋骨に異常がないかを調べます。
軽い打撲の場合
頭をぶつけても、意識を失ったり神経症状がなく、軽い痛みや腫れだけで済むこともあります。まずは安静にして経過をみますが、頭痛が強くなる、吐き気や嘔吐が続く、意識や反応がおかしいなどの症状が現れた場合には注意が必要です。
また、特に高齢の方では、頭を軽く打った後でも時間が経ってから症状が現れることがあります。症状が続いたり悪化したりする場合には、医療機関を受診してください。
脳しんとう・軽症頭部外傷の場合
脳しんとうは、頭や首、身体への衝撃によって脳の機能に一時的な変化が起こる状態です。頭痛、めまい、吐き気、ふらつき、集中しにくい、物忘れ、光や音がつらいなど、さまざまな症状が現れることがあります。症状は受傷直後だけでなく、数分から数時間後に現れることもあります。
脳しんとうでは、CTやMRIで明らかな異常がみられないこともあります。そのため、画像検査の結果だけで判断せず、受傷時の状況や症状、神経学的な診察などを総合して評価します。
スポーツ中に脳しんとうが疑われた場合は、そのまま競技を続けず、まず競技から離れて評価を受けることが大切です。復帰する際も、症状が落ち着いたことを確認しながら、日常生活、軽い運動、競技に近い運動、接触を伴う練習、試合復帰へと段階的に進めます。各段階は通常少なくとも24時間かけ、症状が悪化した場合は一段階戻すなど、無理のないペースで進めます。
脳出血・頚髄損傷などが疑われる場合
頭を打った後に、強い頭痛や頭痛の悪化、繰り返す嘔吐、意識がぼんやりする・反応が悪い、けいれん、手足のしびれや力が入りにくい、ろれつが回りにくいなどの症状がある場合には、脳出血などの重い頭部外傷が疑われます。
また、頭を強く打った後に、首の痛みや手足のしびれ、手に力が入りにくい、手の痛みや違和感などがみられる場合には、頚椎や頚髄の損傷が隠れていることがあります。特に、手足のしびれや脱力などの神経症状がある場合には、早急な評価が必要です。
急性の頭部外傷では、脳出血や頭蓋骨骨折の評価にCTが重要です。また、頚椎の骨折などが疑われる場合にはCTを行い、脊髄の損傷が疑われる神経症状がある場合には、MRIを追加して詳しく調べることがあります。
頭を打った後は、受傷直後には症状が目立たなくても、その後に症状が現れたり悪化したりすることがあります。気になる症状がある場合には、自己判断せず医療機関で評価を受けることが大切です。
このような場合はご相談ください
頭を打った後、次のような症状がある場合は、医療機関での評価をおすすめします。
- 頭痛が続く、または徐々に強くなっている
- 吐き気や嘔吐がある
- めまいやふらつきが続いている
- 意識を失った、または受傷後の記憶がない
- ぼんやりする、反応がおかしい、強い眠気がある
- 手足のしびれや力の入りにくさがある
- 首の痛みとともに、手や足のしびれ、痛み、力の入りにくさがある
- けいれんを起こした
- スポーツ中に頭を打った後、頭痛やめまい、集中しにくいなどの症状が続いている
特に、意識がもうろうとしている、けいれんが続く、手足の麻痺や強いしびれがある、繰り返し吐く、強い頭痛が急に現れたり悪化したりしている場合には、脳出血や頚髄損傷などの可能性があるため、救急医療機関での診察が必要になることがあります。
頭を打った直後に症状が軽くても、時間が経ってから症状が現れることがあります。症状の変化にも注意してください。
当院での診療
頭を打った場合は、受傷した状況や衝撃の程度、意識を失ったかどうか、頭痛や吐き気、めまい、手足のしびれや力の入りにくさなどの症状を確認し、神経学的な診察を行います。
必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を行います。CTでは、脳出血や頭蓋骨骨折など、急性期の頭部外傷による異常を確認します。一方、MRIでは、脳の損傷や頚椎・頚髄など、CTでは評価しにくい病変について詳しく調べることがあります。
特に、頭を打った後に首の痛みとともに手足のしびれや力の入りにくさがある場合には、頚椎・頚髄の損傷も考えて評価します。
検査の結果や症状から、緊急の治療が必要と判断した場合や、より専門的な治療が必要な場合には、適切な医療機関へ速やかにご紹介します。
よくある質問
- 頭を打ったら、CTやMRIを受けた方がよいですか?
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すべての頭部外傷でCTやMRIが必要になるわけではありません。受傷した状況や年齢、意識を失ったかどうか、頭痛や嘔吐、神経症状の有無などを確認したうえで、必要な検査を判断します。急性期の脳出血や頭蓋骨骨折の評価にはCTが重要で、症状や経過によってMRIを追加することがあります。
- スポーツで頭を打ちました。症状がなければ、すぐに練習や試合に戻ってもよいですか?
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頭を打った後に頭痛、めまい、吐き気、ふらつき、集中しにくいなどの症状がある場合は、脳しんとうの可能性があります。脳しんとうが疑われる場合は競技から離れて評価を受け、復帰する際には症状を確認しながら段階的に運動量を増やしていくことが大切です。症状がないことだけを理由に、すぐに接触を伴う競技へ戻ることはおすすめできません。
- 頭を打った直後は大丈夫でしたが、後から症状が出てきました。受診した方がよいですか?
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はい。頭部外傷では、受傷直後には症状が目立たなくても、時間が経ってから頭痛や吐き気、意識の変化などが現れることがあります。特に症状が強くなっている場合や、繰り返し吐く、意識がおかしい、けいれん、手足のしびれ・力の入りにくさなどがある場合には、脳出血や頚椎・頚髄損傷などの可能性もあるため、早急な医療機関での評価が必要です。
